なぜ医師の社会では縛られなければならないのですか

現在現役として活動している医師は約29万人、そのうちの10%弱が転職する、といわれています。その理由は、雇用先の問題が大きく、最近では集団で医師が抜けることが問題となっています。

一般社会では考えられないことですが、いわゆる「ブラック企業」に類似するような病院施設が存在します。例えば、理事会が非常に強い権限を行使するところ。一般社会では噂や指摘を受け、労働基準監督署が介入することで、労働者の残業の多さや労働環境について、改善策を立てなければなりません。

ところが、病院の場合は一種の「治外法権」です。一日の労働時間が8時間、週40時間という労働制限が守られるような職業ではありません。患者がいる限り、診療を拒否することは人道上難しいですし、病変によっては徹夜で処置しなければならないことは数限りなくあることでしょう。

当初の医師としての使命感は、30代で大変が消えてしまうのが、昨今の医師事情です。65歳以上も団塊の世代が大量に退職する会社員同様、これからの病院は中間管理職が手薄になっていきます。インシデントに対応するような管理職よりも、サラリーマン医師として履歴を積み上げることに興味のある医師が多くなってきました。

転職エージェントも、こうした医師の心のすき間に「そっと」入り込んできます。一般社会では当たり前の転職。なぜ、それが医師の社会では縛られなければならないのですか…というのが、コンサルタントの第一声です。そもそも医師として職業を選んだからには、病院に属することを選んだのか、それとも一人の医師としての人生を選んだのか?

もし、ブランド大学病院の医師として生きたいのなら、それも良いでしょう。もし、高収入を目指したいならば、それなりの自由診療で活躍するのもアリでしょう。ですが、家族がいて、親の介護が目の前に迫り、子どもの進学を考えればやはり「医師としての充実度」「家族との距離感」「親の気配を気に出来るロケーション」など、選択肢には「自分の生き方」がいろいろな影響を与える事に気がつくでしょう。

転職市場はにぎわっています。ですが、それは全部が成功であるとは言い切れません。転職にはリスクも付き物です。ただ、現状のままでよいかどうかを比べるなら、一歩踏み出すことに躊躇すべきではありません。

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